消費税10%前に家づくりを焦らない 住宅ローン控除を活用しよう
2016/06/29
2017年4月に消費税が10%に引き上げられます。
この増税は家づくりを考えている方には大きな負担になってきますよね。
しかし、この増税による負担を軽減するために様々な家づくりの支援制度があります。
今回は住宅ローン控除についてご紹介します。
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは年末の住宅ローンの残高の1%を上限として最大10年間で500万円が所得税と住民税から控除されるという制度です。
わかりやすく言うと、住宅ローンで家を購入された方は10年間、ローンの残高に応じて所得税と住民税が安くなるという事です。
例えば住宅ローンを2000万円借入れして年末までに50万円返済したとしてその金額の1%なので・・・
2000万円-50万円=1950万円×1%=19万5000円
つまり、最大で19万5000円を上限として所得税と住民税が控除されます。
もちろん、毎年返済していけば残高が減っていくので控除額の上限も年々下がってしまいますが10年間で数百万年控除されるわけですからそう考えると大きいですよね。
住宅ローン控除を受けられる条件は?
住宅ローン控除を受けるには一定の条件があります。
- 合計所得金額が3000万円以下であること
- 10年以上の住宅ローンを組むこと
- 取得する住宅の床面積が50㎡以上であること
などです。
ですから、一般的に新築住宅を建てる場合は問題なく受けられると思います。
ローン控除ではいくら戻ってくるの?
実際にいくらぐらい戻ってくるのかシミュレーションしてみます。
住宅ローン控除額の上限
例えば3000万円の住宅ローンを組んだとして年末までに50万円返します。
3000万円-50万円=2950万円×1%=29万5000円
年末のローン残高が2950万円になり、その1%の29万5000円が住宅ローン控除の上限額になります。
ちなみに、次の年にまた50万円返済したとして残高が2900万円になると、控除額の上限が29万円になるわけです。
所得税と住民税
基本的には所得税はローン控除額の限度額を上限として、すべて戻ってきます。
ただし、住民税の場合は控除額の上限が決まっています。
住民税は課税総所得金額の7%または13万6500円までが上限となっています。
年収別にシミュレーション
先程の3000万円の住宅ローンを例にして年収別にシミュレーションしてみます。
事例1 年収500万円の場合
年収500万円で課税総所得が120万円の事例で、例えば所得税で支払っている金額が8万円、住民税で支払っている金額が18万円とします。
その場合、所得税は8万円全額戻りますが、住民税は課税総所得の7%にあたる8万4000円が戻ります。
合計で16万4000円で限度額内なのでこの金額が戻ってきます。
事例2 年収700万円の場合
年収700万円で、例えば所得税が21万円で住民税が32万円の場合は、所得税は21万円全額戻ってきます。
住民税は上限である13万6500円までが戻ってきて、所得税と住民税の控除額を合わせると34万6500円になります。
しかし、住宅ローン控除の上限が29万5000円までなので実際に戻ってくる金額は限度額の29万5000円になります。
住宅ローン控除の拡充
消費税8%になってから住宅ローンの控除限度額が一般の住宅の場合、最大400万円になりました。
以前より200万円引き上げられています。
また、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅はさらに100万円上乗せされて最大で500万円になっています。
この拡充は平成31年6月末までの期間限定の措置です。
適用居住年 | 借入れ金の年末残高の限度額 | 控除率 | 控除期間 | 各年の控除限度額 | 最大控除額 | |
一般住宅 | 平成26年4月~平成31年6月 | 4000万円 | 1% | 10年間 | 40万円 | 400万円 |
認定住宅 | 平成26年4月~平成31年6月 | 5000万円 | 1% | 10年間 | 50万円 | 500万円 |
年収が多い世帯が得する住宅ローン控除
実はこの住宅ローン控除は年収が多い世帯が得をする制度だと言われています。
住宅ローン控除はあくまでも減税であって補助ではありません。
ですから、支払った税金よりも多く戻ってくることはありません。
つまり、収めている税金が多い世帯ほど、この制度でのメリットが大きいです。
しかし、これでは年収の少ない世帯にとってはあまり恩恵を受けられないということで、年収の少ない世帯を支援する「すまい給付金」という制度があります。
★すまい給付金について詳しくはこちら⇒「年収が少ない世帯を支援するすまい給付金」
増税前に家づくりを焦らない
増税前に家を建てて余計な出費を抑えて、とにかく安く購入したいという方も中にはいますよね。
しかし、増税前に少しでも安く購入しようと家づくりを急ぎ焦ってしまった結果、実際に住んでみて後々になって不満などが出て、結局は家づくりを失敗してしまったという事は避けたいですよね。
満足した家づくりをするには焦らず進めていくことが大切です。
そのために住宅ローン控除などの支援制度があることを覚えておいてください。
最後に
今回の住宅ローン控除は過去最大級のものです。
すまい給付金との併用も可能なのでうまく活用して家づくりを行ってくださいね。